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suimin-ing-days

一に睡眠、二に睡眠、三、四睡眠五睡眠

20170425

ある説明会が終わる。
もう何回目だろうか、いつものように少しの緊張から解放され、心地よい疲労感を纏いながら会場の自動ドアをくぐる。

外に出ると、海が見渡せるような場所があるようだった。
海を見るなんて何年振りだろう。階段を登る。
お台場のTV局と、レインボーブリッジと、"F"らしい記号を伝える棟と、ビル、コンテナ、船、等々。 カモメも飛んでいた。
少し歩くと風が強くて、髪がボサボサになる。強い風によって体感気温は下がるが陽が当たる場所にいると暑いくらいで、海の日光の力強さを感じた。
海風を受けると少しだけ潮の香りがしたけど、昔行った房総半島の海岸ほどの磯臭さはなかった。
同じ海でも純粋な東京湾と南の方の砂浜では何か違うのだろうか、などとあほらしいことを頭に浮かべていた。


その後、まだまだ時間があったので庭園にも寄ることにした。
向かう途中信号待ちをしていると、観光中だろうか、外国人にGoogleマップを見せられここがわかるか?と聞かれた。目的地の欄には"hinode...bus stop"とあった。正直その地名がどの辺りなのか知らなかったのでsorry,アイドンノーとしか返せなかった。
一緒に探してあげるべきだろうか、とも思ったが外国人はふらっと去ってしまった。

 

庭園は、庭園なのだからほぼ当たり前なのだが、砂利や土で革靴だと歩きづらかった。あと、わざわざ確認はしてないが靴に傷や汚れがついているだろう。
要するに革靴への配慮を忘れていた。が、気にせず歩いてみる。

緑に囲まれた素朴な池と、間近にそびえ立つ高層ビルの対比は面白いものだった。
東京にも存外緑が多いというのは、都内の大学に通うようになってからわかったことだと思う。 勿論、都内のビルやマンションの密集率は他の地域の比ではないし、雑草と杉の木が無造作に茂る場所は23区内で想像できないが。

地面に根を張った小さな草花の緑、木々の新緑、池の淵に見える苔の深緑。

すっかり春も盛りだと気付き、夏もあっという間来てしまいそうだなと思った。
八重桜だろうか、牡丹の花のような花をつけた桜はほぼ満開だった。
こういった種類の桜は5月も中頃に咲くイメージがあったので、ハッとした。そのイメージは、団地の空き地、高台になっている所一面に植えられていた八重桜の記憶。冷たい雨がざあざあ降る午後、小学校の帰りに一人で見た桜だ。
いわゆる普通の桜はすっかり青い葉ばかりになって、その下の地面には花が付いていた額なのか、よくわからないものが散っていた。
池の周りをほぼ一周し終え、少しベンチに座って休憩してから庭園を後にした。

 

春真っ盛りだが、変わらず朝と夜は冷える。
しかしコートはなくてもギリギリ耐えられるくらいの気温になってきた。

私はちょうどこの時期の、何か一仕事終えたくらいの夜の時間にゆるりと歩ける雰囲気が好きだ。 というのも坂本九の「上を向いて歩こう」を連想させるからだ。この歌の中で上を向いて歩いている人は、始まりから少し経ったこの時期に自身を振り返っている状況なのではないか、と。

歌詞が朧げゆえに最早妄想の域だが、一つの解釈としてそんな姿を自分に重ねている。

この日も私はひとりぼっちで歩きながら数時間前のことを思い出し、悔やむ。 悲しくなる。

春の日。星をかぞえて、泣きはしないが、歩く。

 

 

20170425